
今回のスペシャルトークのゲストは、一度はプロへの道を絶たれた後、会社勤めをしながら挑戦を続け、61年ぶりとなる編入試験を経てプロ棋士となった瀬川晶司さん。ゴルフと将棋の意外な共通点など、話題が盛りだくさんです。



福嶋: プロは結果がすべての厳しい世界ですが、昨年は瀬川さんにとってどんな一年でしたか?

瀬川: 納得できる、とはいえない年でした。おっしゃるようにプロは常に結果を問われますが、不思議なもので、アマ時代のほうがプロ相手の勝率は高かったんですね。先ほど話したように、アマとやるときはプロにプレッシャーがかかりますが、いまはぼくもプロで、当然ながらみなさん対等の心理状態で戦います。上のクラスに上がる機会があったにも関わらず、チャンスをつかめませんでした。

福嶋: 私の昨シーズンは、オフのトレーニングがうまくいったこともあり、序盤はとても調子がよかったんですね。5月と7月に一つずつ勝って、さあこれからとなったんですが、夏場以降はどうも調子が上がってこなかった。2つ勝ちはしたものの、もっと勝てたのにという悔いが残るシーズンでした。

瀬川: それはなにか原因があってのことなんでしょうか。

福嶋: 体調もあっただろうし、少しずつ感覚がおかしくなったこともあるんだと思います。でも、将棋の世界も同じだと思いますが、プロ同士の争いだから勝敗の分かれ目は紙一重じゃないですか。考えすぎても仕方ない。私にできることは、今シーズンは年間を通して優勝争いできるように、体をしっかりつくることです。このオフは体づくりと、スイングの改造に取り組んできました。

瀬川: スイングの改造には時間がかかるとうかがっていますが。

福嶋: 大きな改造ではなく、いままでの感覚を残しながら、微調整を加えるようなイメージです。私はドライバーが苦手なんですが、もう一つ上に行くには、ここで変えておいたほうがいいと思って。

瀬川: ぼくの今年の目標も、もう一つ上のクラスに上がることです。スイング改造のような明らかな進化はありませんが、一つひとつの対局を大事にしながら、目標を達成したいですね。

福嶋: 将来はやはりタイトルを狙っているわけですよね。

瀬川: 現状では、トップの方たちと対等に戦うには何かが足りないという自覚もあります。経験が足りないのかもしれないし、精神的な弱さがあるのかもしれない。もう少し時間をかけて自分を磨いて、そうですね、5年後にはタイトルに挑戦できるような位置にいたいと思っています。福嶋さんの今年の目標はなんでしょう。

福嶋: 昨シーズンの反省をふまえて、年間を通して高いレベルを維持しながら、一つでも多く勝ちたいです。それと、久しぶりに挑戦する海外ツアー(全米女子オープン)は、自分でも楽しみですね。アメリカのツアーに参戦していた頃より、ゴルフはうまくなっているはずなので、あまり気負わないでプレーすれば、結果もついてくると思います。

瀬川: 将棋のプロは日本だけで、我々に海外挑戦はありません。でも、今後は将棋という日本の文化を、海外に積極的に発信する必要もあると思います。ぼくに何ができるかはわかりませんが、目先の勝敗だけでなく、そんなことも考えていきたい。なので、福嶋さんの全米女子オープンでの活躍に期待しています。

福嶋: 応えられるようにがんばります。今日はどうもありがとうございました。


